「探偵」(黒岩涙香)
これが明治の探偵小説なのです。 「探偵」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 米国オリアン州の警察署内探偵詰所の上座に扣え、余念もなく書類を取り調べ居る老官吏は言わでも著き探偵長ならん。この所へ入り来る一人の探...
これが明治の探偵小説なのです。 「探偵」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 米国オリアン州の警察署内探偵詰所の上座に扣え、余念もなく書類を取り調べ居る老官吏は言わでも著き探偵長ならん。この所へ入り来る一人の探...
ミステリの源流をたどるつもりで味わうべき 「紳士の行ゑ」「間違ひ」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 豪商塩田商会店主丹三が最愛の妻子を残し、行方知れずとなる。それまで家を空けたことのなかった店主の失踪であり...
明治翻案スタイル、十分に味わいましょう。 「幽霊」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅱ」)論創社 先妻・お塩が生きていることを隠してお年を後添えに貰った夏雄だったが、罪の呵責からか、次第に痩せ細っていく。お塩の帰郷でそれ...
サスペンス、メロドラマ、コント。充溢する涙香の面白さ。 「恐ろしき五分間」「婚姻」「紳士三人」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 わずか五分間と言えばいと短きことなれど、余はその恐ろしさを生涯忘れ得ず。ただ五...
予想は、ことごとく外されてしまいます 「金剛石の指輪」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 競りで購入したダイヤモンドを揃いの指輪に仕立てた新婚夫婦。ところが妻はその指輪をはめて数日後、指が徐々に腫れ、指輪が抜...
すべてはここから始まった~日本ミステリ大河の最初の一滴 「無惨」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 東京築地の川で発見された他殺体。それは多数の傷のある無惨なものだった。死体の手に残る毛髪から、刑事・谷間田は...
涙香から日本の探偵小説が始まった 「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」(黒岩涙香)ちくま文庫 叔父が購入した屋敷は、過去に起きた忌まわしい事件のために「幽霊塔」と呼ばれていた。その屋敷の下検分を命じられた「余」は、そこで...
乱歩版簡略化の「ひずみ」 「幽霊塔」(黒岩涙香)(「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」) ちくま文庫 「幽霊塔」(江戸川乱歩)(「江戸川乱歩全集第11巻」) 光文社文庫 「幽霊塔」(江戸川乱歩)岩波書店 叔父が購入した屋...
日本の生命保険普及拡大の牽引役となったのか? 「生命保険」(黒岩涙香)(「黒岩涙香探偵小説選Ⅰ」)論創社 「生命保険」(黒岩涙香)(「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」) ちくま文庫 夏子は交際している画家・堀川から、衝...
何度も言います。面白さこの上なしです。 「幽霊塔」(黒岩涙香)(「明治探偵冒険小説集1 黒岩涙香集」) ちくま文庫 叔父が購入した屋敷は、過去に起きた忌まわしい事件のために「幽霊塔」と呼ばれていた。その屋敷の下検分を命じ...